IE6 by Microsoft


InternetExplorer6がデファクトスタンダードなことでWebの技術的進化は5年停滞した。
CSS2の実装の遅れ、誤作動。
JavaScriptIEの独自実装、独自拡張。
ブラウザ業界の95%のシェアを持っていながら5年間何も変化が無かった。
その影響はどれほどのものだったんだろう。
ユーザからはAjaxの台頭の遅れが常に変わりゆくWebの世界に普遍的なものを感じさせただろうか。
制作者からはクロスブラウザのための膨大な調整時間が求められただろうか。
作る側からは粗悪品を9割の人が使っている事への不満とそれを放置するMicrosoftへの憎悪まであったんじゃないだろうか。
Web乃至ITというのは、それこそ1週間の間にどこかで目新しい技術が発表され、それが徐々に人々に広まってく。
それには人のフィルターが加わって淘汰されてデファクトスタンダードが残されていく。
その発表が5年の間も待たされたのだからイライラを感じるのはとてもわかる。
独自のEventが余計なコードを増やし、値を2倍に解釈し、1行で済むモノを遠回りまでさせられる。
IEがもたらした影響はどれも面倒な事ばかりのような気がする。


だけれども悪いことばかりじゃなかったように思える。
IEが5年放置されていたことは、むしろ制作者を救い、ユーザに安定をもたらしたって考えてみたら、
1つのブラウザをチェックすれば大半の人は大丈夫、なんてことはどれだけ便利なんだろう。
もしIEが業界のセオリー通りに1年に1回バージョンアップしていたら、
IE6,IE7,IE8,IE9,IE10
が新たにチェック項目に加わっていたんだ。
それがIE6だけってなんて簡単なんだ。
ユーザからしてもIE8以下だと見られませんIE9にしてください、とかそんなことが起こらない。
IE6が1つ持っていれば大概のサイトを閲覧できる。
それはパソコンが苦手な人から見ればこんなにも有り難いことはないんじゃないだろうか。
それもIE6がこれだけ放置され、広まったからこそできることなんだ。


IE6は技術進化は無かったけれども普及をもたらした。
それは何気ないことだけどエンドユーザの参加の為にはとても大切なことだったんじゃないかな。




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