apolloの勉強会の資料(アルファ版)


まずは、Apolloってなんだ?ってところ

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Apolloとは、開発者が、すでに身に着けているWeb開発スキル(HTML、AjaxFlash/Flex、PDF)を利用し、デスクトップRIA(リッチインターネットアプリケーション)を開発・配布するためのクロスOS実行環境
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http://shuffle.cssnite.jp/070416a_apollo_cssnite.pdf


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Apollo とは、Adobe が進めているプロジェクトの1つで、ランタイムのコードネームです。
クロスプラットフォームWindowsMacLinux)に対応しており、FlashFlex、HTML、Ajax, PDF といったすでに存在しているWeb技術による、デスクトップと融合したリッチなWebアプリケーションの開発を主な目的としています。
なお、2007年3月現在は、Alpha 1 Labs Release となっています。正式版(ver1.0)のリリースは、2007年後期とのこと。
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http://www.tatamilab.jp/rnd/archives/000402.html


1.背景/目的
マクロメディア(以下、MM)がアドビに買収されて、両者のいいとこどりをしたソフト。
MMからはFlash。アドビからはPDF、の技術を統合しアドビの新たなプロットフォームとして市場のシェアを確実なものとしたい。と思う。

さらにアドビはFlashを大規模アプリケーション開発市場に食い込みさせたい思惑があり、
Apolloシステム開発の布石として用意しているようにも感じられる。
そうなった場合、Apolloであればネットワーク経由でのアップデートやRIAという優位点がある。


2.現状と改善後
既存のFlash, AJAX等の技術はブラウザ(IE, Firefox, Safari...)を介してでしかエンドユーザが利用できなかったが、
Apolloを用いることでブラウザを不要にし、中抜きをすることができる。
事実、アドビは「メディア・アプリケーション配信の「脱ブラウザ」化」を掲げている。
これにより、制作→公開→保守までの進行が全てアドビの製品でまかなうことが出来るようになる。
結果的にApolloは既存ブラウザに代わるもの、アドビの新しいブラウザとも見えるわけである。


3.効果
a.制作サイドのメリット
Flashでは行えなかったローカルファイルへのアクセスやブラウザの制限からの解放など自由度が広がる。
AJAXが扱える クロスプラットフォームであることがブラウザ間の差異を考慮する必要がなくなり、工数が節約できる。
(ちなみに、ApolloのHTMLのレタリングは良くも悪くもSafariに使われている"WebKit"である。)
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+ ローカルディスクへのアクセスが可能。
+ オンラインでもオフラインでも利用可能。
+ デスクトップとの融合 = 相互にドラッグ&ドロップができたり、ローカルファイルを読み書きしたり。
+ バックグラウンドプロセスで動かすことも可能。Windowsのシステムトレイに入れて監視することもできる。
+ ネットワーク・ステータスの変更が検知できる
+ アプリの見た目(chrome)を完全に制御できる
インストーラーが自動生成される(airファイル)
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http://www.tatamilab.jp/rnd/archives/000402.html

b. 制作サイドのデメリット
+ 楽するならFlex Builderなどが必要
+ 新しいプラットフォームだから、作れる人がほとんどいない(ActionScriptは3.0のみ対応)
マイクロソフトの提供する"シルバーライト","WPF/E"と競合するためどちらが主流となるかがまだわからない。
+ 認知率ゼロ

c.コンシェマーサイドのメリット

IEなどのブラウザを起動しなくとも、PDF ReaderのようにFlashを使ったサービスにアクセスできる。

これにより、デスクトップ上にアプリを常駐することが容易になり、”デスクトップアプリケーション”と呼ばれる新たなサービスを利用できる。

FlashFlex、HTML、Ajax, PDFをミックスした新しいサービスを受けられる。

d.コンシェマーサイドのデメリット
+ デスクトップ上で動作するにはそれなりのパソコンの性能が必要(特にメモリ)
  ビスタで500MBくらいのメモリのパソコンでは辛いかもしれない。

+ 利用するにはApolloのランタイムのインストールが必要となり芝生が高い。


4.費用、スケジュール
制作環境はSDKを利用すれば無料。つまり普通のエディタで根性で作る場合。
ただアドビが作りやすいようにパッケージ(Flex Builder)が6万円くらいで発売している。
一般的にパッケージ(Flex Builder)を使用する。
いずれFlash CS3でも制作できるようになると思う。(2007.5 現在、未実装)

FAQ

・必要なものは?
使うのに必要なものはアドビが無料公開してるランタイムのインストールが必要(数分で完了)。
作るとなると先のFlex BuilderやSDKが必要。

Apolloを取り組み、動向(各国、プロダクション)
2007.5 現在、アルファ版がリリース。

アルファ版にも関わらず、Finetune Desktop(http://www.finetune.com/desktop/)などが制作される。

・今後の展開は?(ロードマップ)
2007年中にベータ版公開
2007年末に正式版公開(windows, mac)(リナックスは遅れて順次対応)
2008年にモバイル版公開(Flash Liteのようなもの)

・資料は?

Adobe Labs - Apollo
http://labs.adobe.com//technologies/apollo/
ランタイムのDL先

CSS Nite公式ブログ:CSS Nite shuffleフォローアップ(1)太田禎一さん
http://cssnite.jp/archives/post_599.php
http://shuffle.cssnite.jp/070416a_apollo_cssnite.pdf
アドビが直々に説明したPDF(重要)
CSS Nite公式ブログ:CSS Nite shuffleセッション紹介(2)Apolloに関するセッション
http://cssnite.jp/archives/post_558.php
関連リンクが充実

Apolloポケットガイド邦訳Wiki - FrontPage
http://labs.anthill.jp/wiki/apollo/
唯一の日本語でのリファレンス(重要)

IT戦記 - CSS Nite Shuffle に行ってきた
http://d.hatena.ne.jp/amachang/20070417/1176784277
devlog.holy-grail.jp - CSS Nite shuffle 簡単なレポ
http://d.hatena.ne.jp/HolyGrail/20070417/1176801255
受講者のブログ

はじめてのApolloプログラミング
http://zapanet.info/blog/item/953
導入手順についてのサイト

akihiro kamijo: Flex Builder 日本語版での Apollo 拡張の使用について
http://weblogs.macromedia.com/akamijo/archives/2007/04/flex_builder_1.cfm

(これらはApolloアルファ版時点の考察であり、正式版の内容とは変更される可能性がある)